専門的支援 将来を見据えて

故郷の瑞穂市にある住宅街の一角に今春、未就学児の児童発達支援と小学校入学後の放課後等デイサービスの事業をする「立葵の教室」を開いた。

障がいのある子供たちに専門的な支援をするため、スタッフ全員が、保育士、言語聴覚士、作業療法士などの有資格者だ。

もともと作業療法士として、障がいのある子供たちのリハビリを専門にしてきた。病院などで勤務してきたが、「学校を卒業した子供たちはどうなっていくんだろう」と思い、より継続的な支援を目指して独立。リハビリだけでなく、就労支援や高齢者のデイサービスといった事業も展開してきた。

教室では、子供たちが日常のどういう所につまずいているか、専門的な見地から見守る。例えば、視覚のみで状況を判断してしまう子には「耳で処理すること」を教えるという。

「障がいの専門家がいることで、保育士も自信を持って支援することができる」

教室には今後、グループホームや有料老人ホームなどを併設する予定。障がいのある子供が大人になり、保護者が高齢になっても安心して生活ができる環境づくりが目標だ。「20年後にどうあるべきか。親亡き後、生活する場をどうするのか。子供たちの行く末を考えて支援したい」(松沢拓樹)

2020年6月20日 朝日新聞記事